財団概要

設立趣意

設立趣意書

 人々の生活は、長年積み上げてきた科学技術の進歩に支えられており、特に化学によって作り出される材料はあらゆる分野で利用され、環境問題の改善や、医療や福祉の充実、生活の質の向上に貢献しています。
 その中でも、医薬、自動車、半導体の分野は、今後更に発展が期待されており、新しい発想による化合物の、創成の活用が求められています。
 当財団が助成対象にしている有機化学、材料科学(マテリアルサイエンス)、生命科学(ライフサイエンス)はそれらの進展に欠かす事のできない研究であり、そして日本発の先進的な研究を創世の段階で支える事が世界的に競争力のある科学技術を確立するためも非常に重要であると考えています。

◆有機化学の基礎及び応用研究への助成

科学技術を支える材料として、数多くの有機化合物が用いられています。
これらの材料は、数々の既知の反応を組み合わせて作りあげられますが、斬新で画期的な反応が開発されれば、合成効率が格段に上がり環境負荷が大幅に低減します。また、これらの反応を活用する事で、今までは不可能であった化合物の合成が可能になり、新しい材料が手に入ります。反応開発の重要性は、近年日本人が発見したこの種の反応がノーベル賞の対象になっている事からも明らかです。これらの発見は、斬新な発想をもとにして多くの実験データを積み上げて行く基礎研究から始まるため、この段階で先進的な研究を見出して支援する事が求められます。

◆材料科学(マテリアルサイエンス)とその基礎及び応用研究への助成

この分野では、再生可能エネルギーをはじめ多くの分野で新たな材料の開発が進んでいます。具体的には、半導体材料、導電性材料、光電変換材料(発光、発電)、蓄電池材料ですが、これらの効率は、現状では満足できるものでは無く、例えば、太陽光発電は、原子力や化石燃料発電に比べて高コストになっているため、低炭素社会の実現に向けてロードマップが明確に描けない状況です。環境にやさしい社会創出のためにも、この分野の基礎研究から応用研究にかけて、大きな研究の進展が求められています。

◆生命科学(ライフサイエンス)とその基礎及び応用研究への助成

高齢化社会に向けて、複雑な生体内組織の状態を正確に把握し、医療を行うために診断、治療の新たな手法の開発は益々重要性を増しています。また、天然物(植物や菌)から有効成分を発見し、それを医農薬として実用化する研究がおこなわれています。2015年ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智先生のイベルメクチンの開発がその代表的な例です。 有機化合物は、生体内組織を形作る人間の生命活動において必要不可欠ですので、これらの有機化合物の研究を支える事により、より高度な医療の提供や福祉の充実への寄附ができますはきわめて重要です。

以上

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